beruf baggage

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STORY beruf baggage ブランドストーリー

01

beruf baggageと自転車
マイペースのススメ
まず初めに、
ブランドのコンセプトと密接にかかわる「自転車」に
乗り始めたきっかけから教えてください。

自転車との付き合いが始まったのは、引っ越しをきっかけに都心で生活するようになってから。
手軽な移動手段として自転車を買ったことがスタートでした。2003年頃、SALEで買ったTREK(トレック)のクロスバイクでした。

東京都内だと自転車でも結構簡単にいろんなところに行けることに気づいて。
身体を動かすのが好きっていうのもあって、雨が降らない限りは自転車で移動するというのが自分のスタンダードになっていきました。

移動手段として20年近く乗り続けている「自転車」の魅力とは?

都市部での移動は、公共交通機関を使うと混雑や遅延があったり、車を使うと渋滞があったりしますけど、自転車だと自分の漕ぎ方次第でほぼ間違いなく予定した時間に目的地に着ける。
それと、歩くのとも車ともスピード感が全く違う、自転車で移動してる人だけの時間軸みたいなものがあるんですよ。

移動中に一人になれるような感覚とか、自分以外の要因に左右されない快適性が自分にすごく合っているんですよね。

一般的に「自転車乗り」とか「サイクリスト」とか言われているのがロードレーサーで、いわゆる競技スポーツ的な楽しみ方。
一方で、ふと周りを見たら大半の人が生活の足としてママチャリを活用していたり。

僕自身は当時から、単純に見た目がかっこいいなと思う自転車を買って、洋服も自分が好きなスタイルで気ままに乗っているんですが、使う目的や楽しみ方が自由なところも自転車という乗り物に魅力を感じる要素の一つだと思います。

そのおかげで所有台数が増えちゃって、保管場所にはいつも悩まされますが…。

02

beruf baggageの始まり
出会いと縁に導かれて
続いて、このブランドを立ち上げたきっかけと経緯について教えてください。

僕がこのブランドの立ち上げ準備を進めていた2005年頃、都内ではメッセンジャーと呼ばれる自転車便の人たちが今よりもバンバン走っていて、自転車を含めた彼らのライフスタイルがファッションとしてもカルチャーとしても面白かった。
そこに大人が食いついて、一気にメッセンジャーバッグがファッションアイテムとして普及していきましたよね。

メッセンジャーバッグってタイトに身に着けるので、組み合わせるアウターはフィット感が良く機能的なものがいいとか、自転車に乗るからスパッツとショートパンツの方が快適だとか、メッセンジャーバッグをきっかけにした機能優先のファッションがひとつのトレンドになっていった記憶があります。

僕は鞄作りの仕事をしてる家で育ったので、鞄は僕のルーツでもあったし、当時のこの会社もカジュアルバッグやコスメポーチなんかの企画生産と卸し事業をやっていた。
鞄作りに必要なノウハウは全て揃っていたので、社内起業という形で自分のブランドを立ち上げて、街乗りスタイルを楽しむ人のためのメッセンジャーバッグを作ろうと思うようになったのがberuf baggageの始まりです。

当時から続く自転車便の企業で?ティーサーブという会社があって、まずはそこに直接電話をして現役メッセンジャーを紹介してもらうことから始めました。 彼らが使っているプロ仕様のメッセンジャーバッグを見せてもらいながら、少しずつ交流を深めていきました。

実際に作りたかったのはプロユースのものではなく、自分が普段着で自転車に乗る時に使いたいものだったので、プロ目線のアドバイスをもらいながら足し算したり引き算したりしてデザインの原型を作っていきました。

あまり聞きなれない「beruf (ベルーフ)」というブランド名の由来とは?

ブランド名の「beruf」は、ドイツ語で職業、天職、使命という意味をもつ言葉なんですが、英語に置き換えると「Job」ではなくて「Calling」のニュアンスがしっくりくる。
自転車便の人たちに話を聞きながらメッセンジャーバッグを作り始めることになったわけですが、メッセンジャーバッグって「職業」鞄なのでその意味も含んでいたり、僕自身が鞄屋の息子として結局この仕事を自分で選んだという「天命」のような意味も含めて、ダブルミーニングで採用しました。

03

beruf baggageの哲学
無理しないウェルネスと環境意識
ブランドとして大切にしている姿勢や価値観について聞かせてください。

当時の自宅からオフィスまで、20キロくらいの距離だと自転車でだいたい1時間ちょっとで移動できるので、通勤の行き帰りで心地よく自転車に乗れて身体を動かすという意味でも楽しかった。

自転車通勤は身体を動かすことでストレス発散もできて、ついでにエクササイズもできる。
そういう無理のないウェルネスの意識は当時も今も変わっていません。
通勤時間を使って運動と頭のリセットができちゃうんだから、この上なく効率的じゃないですか。

あと、当時の世の中全体がエコブームの真っ只中だったんですよね。
その影響で、自転車ってエネルギーが人力だから、カーボンフリーで環境に優しいという意識も持っていました。
昨今よく耳にするサステナブルなんて言葉はまだなくて、エコ、リサイクル、リユースなどの言葉が流行っていたんです。

そういう時代背景もあって、自分にも何かできることがないかなと考えていたとき、海外のブランドで自転車タイヤのインナーチューブを使ったプロダクトに出会ったんです。

パンク修理で交換したインナーチューブで何か作れないかとあれこれ考えながら、街の自転車屋さん数軒に話をつけて、自分たちで回収にいくことを条件にゴミとして廃棄される予定のインナーチューブを無償で提供してもらう仕組みを作りました。

そうやって集めた大量のゴムチューブを当時付き合いがあった刺繍屋さんに持ち込んで、ブランドロゴを刺繍したネームパッチを作ってもらいました。 7色の糸を使ったカラフルなデザインで、製品のアイコンとして本当に長い間採用していました。

現在は製品のデザインコンセプトの変化もあって、ネームパッチからピスネームへ形を変えて、刺繍糸の色も白1色にしたりして、ブランドの哲学を象徴する存在として製品の内側に縫い付けることで引き続き採用しています。

ブランドとして歩み始めた頃の初心を忘れないこと。無理のない運動習慣で健康的に生きること。モノを大切にすることで環境問題へ思いを馳せること。自転車タイヤのインナーチューブをリユースしたピスネームには、そんな想いを込めています。

04

beruf baggageのこれから
モノづくりの現場から
商品の生産体制についてお伺いします。
生産拠点として「豊岡」を選んだ理由について聞かせてください。

2018年以降のberuf baggageの鞄製品はすべて兵庫県北部の豊岡市で生産しています。
ブランド設立当初からずっと生産を請け負ってくれていたのは、都内近郊の鞄職人さんたちだったのですが、後継者不足の問題なんかでどんどん廃業するところが増えていってしまって。
どうにかしなきゃ、と考えていた時期にたまたま縁が重なって豊岡に生産現場を移すことになりました。
豊岡は鞄の産地として国内では圧倒的にシェアの高い地域で、設備しかり人しかり、鞄を作る体制としてはこれ以上ないものが揃っているので、拠点を変えたことで形にできることの幅が随分広がりました。

ブランド設立当初から一貫して「日本製」にこだわってきた理由とは?

2006年にブランドを立ち上げてからずいぶんと時間が経ち、始めた頃とは世の中の環境も自分たちの気分も大きく変化していますが、変わらずに続けてきている「国内でのモノづくり」が今、改めて世の中の流れにフィットしてきてるっていうような気がしています。

インディペンデントでも面白い物事にはちゃんとスポットライトが当たるようになっていたり、消費行動と社会貢献を結びつけるアクションが増えていたりする今の流れは、自分たちにとっては確実に追い風になる。

日本人特有の仕事に対する意識の高さがあるおかげで、細かい仕様など僕のリクエストのニュアンスを的確に汲み取ってもらえて、ひとつひとつのアイテムをじっくり、丁寧に作ることができている。だからこそ、そのアイテムたちを通じて職人さんたちの仕事にちゃんとスポットライトが当たるようにしていくことが僕の役割だと思っています。

ライフギアとして在ること
最後に、これからのブランドの展望や目指す未来について聞かせてください。

今現在のberuf baggageと自転車との距離感という視点で話をすると、実はブランド設立当時からあまり大きく変化していません。
僕が思い描く「自転車のある生活」は常に普段の生活の中にあって、競技スポーツとしての自転車とは距離がある。
その意味で、自分がデザインする鞄製品はあくまでも「ライフギア」であることにこだわっています。

ただ、製品のデザインや機能性に関しては大きく変化していて、当時のメッセンジャースタイルに影響を受けたファッション的なアプローチから、僕自身の年齢とともに道具としての機能性を重視したプロダクト的なアプローチへと変化してきています。

僕が理想とするライフギアとしての鞄製品は、自転車と同じように使う目的や楽しみ方が自由なプロダクト。
機能的な使いやすさはもちろんですが、カジュアルでもビジネスでも、その鞄を使いたいときに「着る服を選ばない」という意味で快適に使える、シンプルなデザインを目指しています。

あと、ここ何年間かずっと意識してるのが機能性のパーソナライズ。
マスマーケットやマスプロダクトを目指しているわけではないので、なるべく身近な人たちの価値観とニーズ、それに基づく行動パターンを徹底的に掘り下げて、そこから生まれたアイデアを反映させた製品を意識的に提案しています。

beruf baggageの製品を見た人が、「これは自分が求めていたものだ。自分のためにこの鞄ができているんじゃないか!?」と感じるような、ストロングポイントを明確に打ち出せるモノづくりをこれからも継続していきたいと思っています。

誰かの「ライフギア」となり得る鞄をデザインしながら、いろんな場所に足を運んで、いろんな人と出会って、その出会いがまた新たなライフギアのアイデアを生む。

そんなサイクルをライフワークとして楽しめたら最高ですね。

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